「親を思う時」
早々と軽井沢にスキー場がオープンした。
さすがにまだ天然の雪ではなく、人工降雪機による開設であるが、秋は天気も良いので気持ちよく滑れるそうだ。
紅葉を見ながら楽しそうである。
スキーに行かなくなって30年以上経つが、結婚すると主婦にはなかなかチャンスが無い。
家族が揃えばいいが、我が家は寒がりばかりで無理だった。
東日本は平年より1.9度も高い夏を過ごしたが、やっと秋らしい毎日になっている。
高齢者には夏の疲れが出ているようで、不調を訴える人が多い。
つい先日、あるハウスの住人さんと親子関係について、どう思っているか話す機会があった。
20代中ごろから30代前半の世代の親は、まだ元気なのであまり考えていない。
しかし確実に老いはやって来る。
ずっと元気でいる事は、かなり難しい。
入院するほどひどい状態でなくても、どこかに故障が起こる。
メンテナンスが必要になり、歯科・内科に通いだす。
血圧や腰痛などが悪化したり、思わぬ不調が現れる。
不思議に誰しもがつまづいたり、転んだりしてしまう。
鈍くなってくるのだ。
今までは親が子供を気遣った。保護しながら育てた。
成人し社会に出て仕事に励む我が子を、ホッとして見守っている時なのかもしれない。
親が60代に差し掛かる前後あたりから、少しずつ逆転が始まってくる。
早いか遅いかは、分からないので、心の準備は必要である。
私の場合は、弟の結婚式の時に親の「老い」を発見した。
まだまだ元気ではあったが、今思えばあの頃逆転がスタートした気がする。
どちらかが欠けたら、引き取ろうかと心密かに考えていた。
親に話しても認めはしないので、ずっと黙っていたが、それは以外にも早めにやってきた。
父が亡くなると、母は悲しみに打ちひしがれ、病気になるのではないかと思うほど落ち込んだ。
毎日電話が掛かり、めそめそ泣いていた。
20代・30代では想像できない姿がそこにある。
そんな体験談を話しながら、いつか自分にも来るかもしれない事態を、考えておくだけはするように教えた。
そんな事態が来ないで済めば、幸せである。
元気な親に感謝して、楽しく過ごせばいいのだ。
少しだけ考えておけば、あわてないで済むからだ。
病気をしない人ほど、自分の老後の心配をしない。
子供に頼らずに済むと過信している。しかし、親の方が先に命が尽きるはずだ。
最期は子供に厄介になり、あちらに送り出してもらうのだから、
それまではずっと親子である。
2013.11.2.
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